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国債は税金で返せのウソ

国債は税金で返せのウソ

  • Posted by: けんた
  • 13年01月18日 金曜日
  • 日々雑感

タイトルからして面白そうな本を手に取ったところ、
かなり刺激的で世間一般的な通念とは異なっていたので、
ちょっと御紹介。

タイトルからして、なんのこっちゃ?

政権が変わり、消費税増税が現実味を帯びて
マスコミでも頻繁に取り上げられるようになってきました。

国の借金がもの凄い勢いで増加している。
それを返済しなければ国が破綻する…ギリシャのように。

だから、消費税を増税しないと!!

だけど、ちょっとお待ちを。

デフレが悪魔のように叫ばれている中、本書によると
「国債発行」、「紙幣印刷」景気回復の鍵がそこにあると。

普通に考えれば、デフレの対極にあるインフレ方向へちょこっとシフトしてやれば
デフレから脱却できるのではないか?と。

ちなみに、デフレが何故悪なのか…。
デフレによる結果何が起きるのかを抜粋すると

1 企業業績の圧迫
2 失業の増加・格差の拡大
3 財政問題の悪化
4 債務問題の悪化
5 消費の減退
6 投資の減退
7 イノベーションの鈍化
8 円高の進行

など。■デフレの何が悪いのか?-デフレが悪い8つの理由- : フィリピンから見た日本

不況の元凶が全て羅列しているような気がしますが。
そのデフレと対極を成すのがインフレ。

市場に流通する紙幣が増加することでインフレが発生しますが、
極端なインフレになると自分たちが大事に貯めてきたお金の価値が下落し、
ジンバブエのような例は極端だとしても紙幣が紙切れに…

例えば、菓子パンが一袋100円で購入できる今の状態が、
インフレになると一袋5万円で買わないと買えないなんてことに。

恣意的にインフレを起こそうと思えば、日銀が紙幣を発行し続ければ
市場に流通する紙幣が増して、物価が上がる=インフレになるわけです。

何の裏付けも無く紙幣を発行、すなわち1万円札が50円で作れるとすれば、
差額の9950円というお金が世の中にわき出てくる…錬金術なのです。

紙幣(日銀の借金)と資産…物の価値のバランスが崩れて生じるインフレ。

もう一度。インフレの対極にあるのがデフレ。

今は、デフレによる不況と言われる世の中。

だったらインフレにしてやれば…?

紙幣をガンガン発行する。
そして、デフレとインフレのバランスを見ながら(それが難しいけど。)
その紙幣を使って国の借金である国債を買い上げる(国の借金を返済)して
やったら、国民からお金を吸い上げて(=増税して)返済することも無し!

ってか、お金を吸い上げて(=紙幣の流通量はそのまま)いたらデフレのまま。

すなわち、デフレの今が、国の借金を紙幣印刷で返還するチャンス。

ただ、政府には紙幣の発行する機能が無く、
日銀にお願いするしか無いので…
代替手段として国債を発行して日銀に国債を引き受けてもらって
市場へ流通させる紙幣を増加させる。

そうすることでデフレからインフレ傾向へ持って行こうとすると。

それがひとつの景気回復手段。

景気回復の手段としての国債発行ですが、
どーしても、「借金」という言い換えにされてしまう。

本書には

「日銀が持っていれば国債は国にとって借金でもなんでもない」

と、書いてありました。

すなわち

「「国の借金」は「物価の安定を通じて国民経済の健全な発展を図る」という目的を達成するための手段に過ぎず、道具に過ぎない。
それにもかかわらず、国の借金の方が「目的」になると、国民経済・国民生活が「手段」になってしまう。
どういうことかというと、国の借金の返済のために、国民生活を犠牲にしてでも税金を取り立てたり、必要な社会補償費用を削ってしまうというような、まったく本末転倒の話になってしまうのである。」

国の借金はインフレ抑制のための「副産物」に過ぎない。世界最高峰のデフレ、つまり世界屈指の低インフレ国家である日本の国の借金は、一切気にする必要の無いものである。

とのこと。

 

もうひとつ。

国債の保有者は誰なのか?

国債の90パーセント以上は国内保有。
国家=家族と例えれば、お父さんがお母さんに9割借金していて、
残りの1割は銀行に借金している。

その状態で、その家族=国家は破綻するのか…?

この論説は、私の指導教官が良く口にしていました。

ちなみに、破綻したギリシャも国は借金まみれでしたが、
そのほとんどが対外債務(外国への借金)。
外国の人がギリシャの国債を持っていたわけです。

その割合は借金の70%以上らしい。

一方で、日本の対外債務は借金の10%以下。

ここが日本と違うところ。

下記のページがわかりやすいです。

■【更新】世界の対外債務国ワースト20をグラフ化してみる:Garbagenews.com

 

報道を聞いていると、ど~も、国にのせられて国債が
税率を上げるためのネタにされているような気がしてなりません。

私は経済学に関しては素人なので、間違っていることもあるかも知れませんが、
素人だから一般論じゃないところに反応しちゃいますね(笑)

興味のある方は、本書を読んでみて下さい。
一方で、この本を否定する…すなわち、

やっぱり国の借金は税金で返さないといけないよ!!
インフレとデフレの調整に国債が使われたり、紙幣刷るのおかしい!

という論理を本書に反対するような形で書いてあるものがあったら教えて下さい。

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Comments:6

ウェス@あいぽん 2013年1月19日 13:35

レス望まれてる気がしたので、レスします(笑)

此方は昨日から育児休暇に入りました。
⇒でも未だ産まれてないけども!
ではなぜ!

育児休暇取得開始日を出産予定日にしておいたからです。
⇒変更も出来ましたが、面倒なので休んでます(爆)
実際に産まれる迄育児休業給付金は出ないけど、小島よしお。


さて、国債の話ですよね。
⇒実はレス2回目です、先程レス書いてたらiPhoneのSafariが落ちやがった(T ^ T)
なので簡潔に要旨のみ。

・僕も日本銀行券刷れば良いと思う。
⇒以前の丹生会会合で塚本三郎先生も熱く語ってらっしゃいました。

・諸外国に寧ろお金を貸している&あげている日本だが、
それは自国民の血税も使ってる訳で…
⇒だったら、逆に自国が大変になったら貸した金返して貰ったり、他国債償還すれば良いのに

何か、
他人の家にお金援助する為に、自分の家族から金を巻き上げる様に感じられる。


ってイズム過ぎですかね?


それでも、餓死者とか出てない日本は幸せなのかな。
若しくは堪え忍ぶ能力も高いor家畜化してるからかな…。

UZ 2013年1月19日 15:26

うーん。個人的には納得いかないなあ。

そもそも消費税増税の理由は、嘘か本当か怪しいが、「社会福祉の充実」であって、国債償還ではないはず。

話のピントがずれるかもしれないが…
今の景気の悪いのは、「個人消費の冷え込み」が根本的な問題だと思うんだけど。

僕の給料だって、10年前よりかなりさがっているし、税金も増えてるし、社会保険料も年間数十万円単位で増えてるし、こんだけ負担しても自分が退職金や年金もらえないかもしれないと思うと、お金使うの躊躇するし。

と言いながら、日本経済のためと思って(ほんとか?)、貯金削って旅行に行ったり、家電製品買い替えたり、家のリフォームしたりしてるけど、こんなことをできるのは恵まれている方で…。

作ったものが売れないからデフレになるわけで、それを最終的に買うことになる消費者の経済的不安解消が国債を大量に発行することで解決するのか僕は疑問を感じる。
そもそも、国債を大量発行すれば景気がよくなるのならば、とっくの昔に景気回復してるんじゃないのか?

それに、貨幣の流通量を増やして景気回復をはかるなんて方法は、実は「ゼロ金利政策」として「いざなぎ景気」越えをした2000年代初頭(2002~2007年)から何度も行われていて、その時にも末端の消費者として、その景気回復の実感はほとんど感じられなかった。現にバブル崩壊直後に就職した僕は、最初の数年は給料が上がったという感覚があったが、その後は、上がらないというだけでなく、賃金抑制という名の給与カットで実質の手取りは減っているのが現実。貨幣の流通量を増やすことで、単純に景気回復がはかれるなんて時代はもう終わっているのではないかと思ってる。

机上の計算で「国債増やせば」とか「貨幣の流通量増やせば」といっていたら経済が何とかなるなんて思っているから何ともならないんだよ!というのが僕の感覚です。

と言っても、僕は消費税増税論者ではありませんので誤解なく。

それにしても、3年前の民主党政権誕生以来、日本がよりおかしくなってしまったように思う(それ以前もかなりおかしかったけど)今日この頃です。

けんた 2013年1月19日 23:19

>ウェスさま
望み通りのレスを有り難う御座います(笑)

おおおおお!出産予定日になりましたか!!!
まあ、準備期間も必要ですし、小島よしおです☆
楽しみですねぇ~。
Facebookへの写真アップを楽しみにしていますよ。

さて、国債の話。
1回目のレスが気になりますが、めげずにコメント有り難う御座います(笑)

丹生会でも話題になっていたんですね。
アメリカでは歴代大統領が同様の手法で紙幣発行を紙幣発行機関のFRBに代わって行おうとすると大統領が暗殺もしくは暗殺未遂になるという…。
それくらい、黒いところがある手法のようです。
紙幣発行されると困るのが…資本家(=お金持ち)の皆様。
インフレになると、お金を持っている人ほど損しますしね。
それを意識的に行おうとする人間を抹消するという…なんとも恐ろしい。

日本では物理的に抹消というより、政治的に抹消されそうですが。
世論も、その方向に操作されているんでしょうかね。
なーんて、中に病のような考え方ですが(笑)

そのイズムは、まさにイズム本ですww

けんた 2013年1月19日 23:36

>UZ先生
コメント有り難う御座います!
なるほどなるほど、個人消費の冷え込みですね。
私的には、何故個人消費が冷え込むのかが気になっていて、その原因のひとつが老後の不安をあおりまくる風潮に在るのでは無いかと思っています。それに関しては、社会保障がしっかりして不安が払拭されれば良いとも思いますね。
もうひとつは生産年齢以外に資本が集まっていて貨幣の流動性が低下しているのではないかって思ったりもします。要は、年配の方が抱え込んでしまって…。国債持っているのも年配の方々ばかりですしね。
いざなぎ景気とか、末端までその実感が伝わらなかったのも、景気が良かったのは「若くない世代」もしくは「資本家」なのかなって思います。だからやるべき事は若い世代にお金が回るというか、若い世代がお金を回せるような仕組みづくりかなって思います。
公務員も国民の1人ですし、そこも公共事業と同じ理屈なのかなと。
そして、世の中の屋台骨である公共事業の裾野は広く、そこに多くの若者が関わっていて、その収入を増やすことが大事なんじゃないかと思います。

そのあたり、自民党が政権を取ったことでどう変わっているのか注目したいと思っています☆

はっちゃん 2013年1月20日 03:47

早速のUP、ありがとうございます。
しかも休みの日とは…良いタイミングで良かったです。
そそ、国債の話ですよね~
今、欧州はギリシャを端にした「欧州危機」が尾を引き、米国は景気低迷に「財政の壁」。中国はバブル崩壊。日本も国の借金が1000兆円間近!とても良い状態とはいえません。
しかし、その中においても「日本はまだマシ」な方ということで円が「安全資産」として買われ円高になる。
投資資金は現金のままということはありえないので、世界中で行き場を失った資金が円買いに走った結果が昨年までの円高。
ところが今回、安部政権の登場で大胆な金融緩和政策が実施されるとの憶測から、今度は円が売られまくっています。
円高は落ち着きつつあるとして、問題は今後の日本の国債の行方?確かにギリシャの場合と違い、その9割は国内で保有されています。
内訳は郵貯、かんぽ、年金、日銀、銀行、保険会社、個人ですが割合的には半分くらいが公的機関です。なので強制的に買わせ続けさせれば、国の借金がいくら膨らんでも大丈夫、「デフォルト」は無い!という仕組みだった訳です。
しかし、公的機関とはいえ、現状、超低金利な国債をいつまでも買い続ける訳にはいきません。国債によって運用されている年金などは破綻寸前、利率の良い投資に変えなければ大幅な保険料上昇につながるでしょう。
だからといって超低金利では個人も、外国人も買いません。ということは…国債の消化方法が無くなってきているのです。
以上の理由から近い将来日本国債は暴落=長期金利の急上昇という図式が見えてくるのですが問題はその先。
今現在、長期金利が安いため住宅ローンも超低金利です、そのため多く方が変動金利を選択しています(UFJによるとほとんど変動、また勧めている)普通変動金利は一度選択すると5年は変えられません。現在金利が安くてもそれが急激に上昇したらどうなるのでしょう。毎月10万円の返済が15万20万になったら…資金に余裕のある方、完済間近の方はまだ良いかもしれません、一括返済すれば良いのですから。
しかし返済能力の無い方はそれこそ「デフォルト」になってしまうわけです。
そのため家を手放すことになります、差し押さえたその物件が予定通りの価格で売れればよいのですが、
何かしらの理由から売れなかった場合…不良債権になってしまいます。云わば「日本版リーマンショック」ま、あちらは
住宅ローンの債権化、住宅バブルの崩壊など様々な絡みがありますが…
しかも今、日本の住宅事情は消費税増税前の駆け込み需要に
住宅ローン減税の拡充などで煽っています。今現在金利も最低、銀行も企業よりも個人の住宅ローンなどへの融資に重点を置いてます。
日本の銀行が「住宅ローン如きで潰れるか!」と思うかもしれませんが、その残高は180兆円…リーマンショックのようにどの様な絡みが出てくるか?分かりませんので警戒しておいた方が良いと思われます。
ま「オチ」を言えば私の場合、住宅ローンを抱えているので切実な問題としていつも頭の中にあります。あと26年残っているので「もしも」の時一括返済できる様にするのが近年の目標であります。

けんた 2013年1月20日 19:21

>はっちゃんさま
写真のご送付本当に有り難う御座いました!!
とーーーっても、役立たせて頂いております。
タイミングまでバッチリで(笑)

国債の話への御反応、有り難う御座います!!
私の考えの及んでいないところも解説下さり勉強になりました。

円安へマイルドシフトさせることを狙っていたら、
大胆な金融緩和政策をするという「呼び水」だけでも効果覿面でしたね。
国債が魅力的ではなくなり、代わりとなる受け皿がなくなってきて、
そこで今度は紙幣を増刷し始めたら更に円安に進んで日本の産業の中心を担う輸出関連企業は万々歳ですね。
そこもまた裾野が広い産業なので、日本全体の景気底上げには寄与するかも知れません。

が、はっちゃんさんをはじめ、借入金利負担が上昇すると影響が出る方々も少なくないんですね。
あと、輸入型産業にも面白くはありませんし。
これぞ政治ですが、どちらに転んでも得する人と損する人がいて、そのバランスをいかにして取るかというのが難しいですよね。
難しいからこそ、正しいと一般的に思えることでも断行できず、「今までと一緒」になっちゃうと。
ただ、前政権下ではそのバランス感覚がおかしかったと。

住宅ローンは毎度のこと、景気指標に強い影響を与えやすいので、監視していないとおっしゃるとおり、日本版リーマンショックなんてことに…。

ってか!!
はっちゃんさん、住宅ローン!!
遊びに行かせて下さい(笑)

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