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大雪大災害対応3日目

大雪大災害対応3日目

今日から平日。月曜日になりました。

曜日感覚が完全に麻痺しております。

国道151号線も通行可能で、多くの職員さんが出勤できるようになりました。
一部で、まだ、電柱が倒れて道路をふさいでいたりして、通行できない箇所も有ります。

が!

朝一番で、大型トラックが国道151号線で通行できないトラブルの連絡が!!

まだまだ、雪かきは万全では無く、幹線道路といえどもところどころで
行き場を失った雪によって幅員が狭い場所があったり、
電線も仮復旧状態で位置が低くて大型車だと引っかける可能性があったり。

倒木が電線に架かったままの状態だったりと、危険な状態は続いています。

なので、通行規制がかかりました。

基本的に国道は通行止。
地元車両とか緊急車両、復旧車両のみが通行を許される。

朝からもう、バタバタですよ。

道路を管理する団体はここじゃないし。

私のような末端まで情報が来るのに時間が掛かるのは当たり前なんですが、
結局、問合せの電話を受けるのは我々末端なのであって。

何が正確な情報はのか、何を答えて良いのか、いけないのか。

軽くパニックを味わいました。

現場は通行止になっているけど、それを知らない的な。

朝の会議で本日の流れが決まり、私は村内の独居老人宅や二人暮らし高齢世帯など
戸別訪問することになりました。
チーム編成されて、社会福祉協議会のお二方と一緒に、上黒川地区内を巡回します。

その際、ただまわって安否確認するだけではなく、
聞き取り項目などが整理された手書きシートを持参し、
体調面や薬、食料、燃料などの在庫や困ったことを聞き取りします。

まずは熊谷家へ!

国の重要文化財にしていされている熊谷家にはおばあちゃんがお一人でお住まいです。
訪問してみると、とーってもお元気。

「こんなに雪が降るなんて、おどけたねぇ~~」

食料などについても伺ってみると…

「うちは何の心配も無いよ~それよりあんたがたもお疲れ様だねぇ。」

逆に、激励されております。
かやぶき屋根からはつららが滴っており、ちょっと危ないなぁと思ったんですが、

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「そんなのはいつものことだで、心配せんでいいよ(笑)」

とのこと。

かやぶき屋根だと、つららは落ちること無く融けてしまうそうです。
なるほどなぁ。

んで、お次は一緒に氏子総代をやっている方のお宅へ。
既に、総代長から衝撃の事実は告げられていたんですが…

改めて、状況を伺ってみましたところ…

現地確認して写真を撮影してくることに。

何が起きたかって。

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なんと…上黒川花祭りが行われる舞庭。

大きな枝なのか、木なのか、
落ちてきて屋根に穴が開いてしまったのです。

もう、ショック。

悲しすぎる。

見た瞬間、言葉を失いました。

鍵をお借りして中に入ってみましたが、床がビショビショに濡れています。

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見上げると、そこには明るい穴が…。

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ただでさえ緊迫した花祭り財政。
修理に一体、いくらかかるんだろう…。

お金、足りなかったらどうしよう。

ため息しか、出ません。

とりあえず、日曜日に集合して、どうにか修理できないか考えつつ、
修理作業することになりましたので、日曜日は万障を排して駆けつけなければ。

あああああーもう!本当に、ショック。

ここでお昼の時間となったので、社会福祉協議会のお二方は職場へ戻り、
私も職場へ戻ってカップラーメンを食べながら状況把握と進捗報告です。

食べ終わると直ぐに車に乗って、お二人をお迎えに行きまして…

今度は大沢津川方面へ。

今回、最もたくさんの電柱が倒れたと思われる場所。

道中のR151には大量の高所作業車!!!
作業中の車両もたくさんありましたが、すれ違う車両の数も半端ない。

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ほとんど、片側交互通行状態。
こしゃまあ、確かに通行止にしないと危ないです。

それにしても、一体、何台の作業車量と何人の人員が駆けつけて下さっているのか!

これだけの組織を抱える中部電力グループ、すげぇ。
道路の両脇には山のような雪がたまっているので、結構すれすれでした。

大沢集落の奥の方へ入って行こうとしましたが、
そこでも電柱復旧作業中とのこと。
車両進入が不可能だったので、作業が終わるのを待って後回しにすることにしました。

時間は限られています。

限られた時間内で全てを回るには、効率を考えなくては。
できるだけ、徒歩の時間を減らさねばなりません。

大沢集落の出口には、既に新品の電柱が用意されています。
在庫もちゃんと、確保されているんですね。

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方向を変えて、今度は津川地区へ。

私は一番の若手ということで、こちらも電柱が倒れて車両進入ができない、
一番奥の家まで独りで歩いて行くことにしました。

途中、津川地区の集会所が目に入ってきましたが…

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なんという姿。
倒木にピンポイントで囲まれてる。

さらに奥に進むと、地面を這う電線や通信線。

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ちょっとドキドキしながら、またいで進みます。

と、頭上にバタバタと音が響いています。

ヘリコプターだ!

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それも、一機だけでなく、何機も飛来しています。
そのうちの一機が、頭上を付いてくるような…。

これが、通行を阻む倒れた電柱。

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見事なまでに、ガードレールに食い込んでいます。

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その奥で、電柱を倒した元凶である倒木を処理する皆さん。

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声をかけてみたところ…。

「こりゃ、作業車が無いと無理だ。でも、あの電柱でここまで作業車が入れん。」

とのこと。
現場でも常に問題が発生しています。

こういった光景を見ていると、電気の復旧の見込みが分からないというのも納得です。
問合せされる方の中には、

「なんで、電気が復旧する時間が分からないの??」

と、かなり怒り口調の方もいらっしゃいましたが、
こうした問題が常に現場で発生しているのを考えると、分からないのも納得しました。
予め計画された工事ではありません。
今度は、こうやって頑張っている人たちがいることを問合せされた方に伝えよう…。

そう思った瞬間でした。

一番奥の家までようやくたどり着き、雪かきされていたご主人にお話を伺いました。
ここでも…

「何も困っちゃおらんよー。電気がありゃ良いんだが…。ま、ノンビリ待つよ。」

とのこと。
年配の方の生活力、本当に強い。

電気が無いと言ってワーワー騒いでいるのは、
我々、電気に慣れきった若い世代だけなんでしょうか。

それにしても、頭上でずっとホバリングしているヘリコプターが気になる。

再び車両まで歩いて戻り、他の家を訪問されていたふたりと合流し、
宇連、塩中地区へ向かいます。

反対車線には高所作業車の車列が。
これから、今私が歩いていたところの電柱に向かう様子。

それを見ながら徐行していたら…

目が合った電力会社作業員の方!!

なんと、豊根出身の後輩じゃありませんか。
思わず車を停めて、現場レベルの状況を聞いてみました。

200人近い部隊が豊根に集結しているらしい!!!!

すげぇ。

宇連地区へ到着し、そこで訪問宅を決めて戸別に訪問。
たまたま私が向かったおばあちゃんの独り暮らし宅。

お話を伺うんですけど、本当に明るい。

その背後には、昔懐かしの黒電話。

「この電話があるから、連絡には困らんよ-」

やっぱり、停電時には黒電話最強ですね。
ただ、ケータイの電池が切れてしまったとのこと。
今回の問題点として、停電が長期化するとケータイが使えないってのが
困ったことでたくさん上がっております。

基地局については、docomoさん始め、ケータイ各社が移動基地局を配備したり、
基地局の充電を行って下さっているので、中心部は停電の影響が少ないです。

ただ、蓄電池容量の小さな基地局は圏外になってしまっている模様。

んで、おばあちゃんと話をしていたら段々盛り上がってきましたよ。
そういえば、所属を申し上げただけで名前を名乗っていなかったと思い、
私の名前を告げたところ…

「あらま!さかもとさんとこかい!ということは…けんちゃん??」

「大きくなったねぇ~~」

この年になって、大きくなったねぇって言われるとは思いませんでした(笑)
おばあちゃんと我が母が又従兄弟ってことをここで知りww

親戚ですかい!

「けんちゃんに会えて嬉しいわぁ~ちょっとだけ雪がありがたいね(笑)」

なんだか、ホッコリしました。
停電が続いて気落ちされていないか心配でしたが、
おばあちゃんの笑顔を観て、訪問しただけでも価値があったと。

自分も嬉しくてたまらんでした。

塩中集落を巡って、再び大沢地区へ。リトライです。

が。

やっぱりまだ、車両の通行は難しいみたい。
ただ、ミッションはクリアせねば!!

3人で歩いて集落内まで行くことになりました。

道中、高所作業車で復旧に取り組んで下さっているトーエネックの皆さん。
一体…何人の作業員の方が豊根に来ているんだ???

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車両は…三重ナンバー。
県境を越えて、ここまで応援に来て下さっているんでしょうか!!!

土日を経て…

動き速いっ!!

集落内部に到着し、訪問するお宅を3人で分け合いまして、
私に割り振られたおばあちゃん宅へ。

んむー留守か?

すると、一緒にいた社協の方が、

「ここのおばあちゃんは、たぶん、隣に遊びに行ってるんじゃないかな?」

え?そーなの??何故知っているの…??
社協の方の情報力に脱帽しました。

だって、隣に行ったら、おばあちゃん2人がお茶飲んでお喋り楽しんでいたんですもの。

まあ上がって行きなよ!

ってことになりまして、お二人から同時にヒヤリングを実施します。
コタツが暖かい。

昔使っていた豆炭の掘りごたつを復活させて使っていらっしゃるとのこと。
さすがだなぁ~。

やっぱり、昔のモノは停電に強い。

ただ、久しぶりに使用されるということなので、
くれぐれも火の元には…と、何度もお伝えしつつ…

半分ヒヤリング、半分談笑。

いろーーんなお知恵をお伺いしました。

こうして上黒川区内の対象集落の巡回が終了し、
職場へ帰投して対策本部へ報告。

大きな問題が発生していなくて一安心しました。

上黒川熊野神社の舞庭被害を除いては…。

その後も電話応対を中心に、停電の復旧と同時に発覚してくるであろう…
地デジ視聴不可能連絡、すなわち…光ファイバー断線連絡に備えて…

村内の光ファイバー網の系統図改めて確認し直します。

どこの家でテレビが見られなかったら、どこの幹線がやられているかなど、
直ぐに応対できるように…。

今年度、担当になったばかりなので、まだよく分かっていません。

周囲も暗くなり、夜の闇が深まります。

と、ここで嬉しい情報が!!!
どうやら、通電を少しずつ開始するらしい!!!

おおおおおおおおお!

災害対策本部に歓声が上がります。

と、ここで倒木があるため事故の危険性があるという情報が入りました。
そんな情報ばかりですが、今回は横たわっているわけではなく、山から突きだしている。

暗闇でそれが目立たないので、トラ柵を出しておかないと大変危険。

今から道路管理者の県に連絡して来てもらっても遅くなってしまうし…
事故のリスクを少しでも減らすべく、我々でトラ柵設置に向かうことになりました。

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先輩方と安全確認しながら作業実施。
んで、ついでに金越方面に向かって通電状況を見てみようってことになり…

川合集落に向かう途中、街路灯がほのかに点灯し始めた!!!

そして、川合集落金越集落に、少しずつ光が灯り始めました!!!!!!

車内のテンション最高潮。
興奮しながら職場へ戻り、川合集落まで電気が来ていたことを報告。

「金越から川合に向けて、電気がつき始めていました!!」

すると…

「けんたろーの顔を見れば分かるわ(笑)」

という返答が帰ってきましたww

よっぽど嬉しそうな顔をしていたんでしょうね。私。

しばらくして職場のある集落にも電気が灯り、
職場のテンションが上がってきましたよっ!!

でもでも、まだ、電気が灯っていない集落はたくさんあります。
警戒体制を緩めません。

今夜もまた、数名が徹夜で職場に残り、対応に当たります。

私は帰宅班だったので、電気が付いた我が家に。
自宅のお風呂には入れる…

一気に身体の力が抜け、風呂へ浸かっていたところ…

突然消灯。

マジかよ。
ま、仕方が無いよね。

こんなこともあるさーー!

今日、訪問したおじいちゃんおばあちゃんに、
Take it easy 的な考え方を学びました。

妻が風呂まで懐中電灯を持って来てくれました。

ただ、ドライヤーが…
風邪を引くリスクはできるだけ低減したい

よし、ガスコンロだ。

細心の注意を払って、ガスコンロのかなり上部から
タッパーのふたを使って頭に向けて扇ぐ。

これが見事に良く乾くんですわ。

無いなら無いで、いろんな知恵が働くもんです。

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