【書籍】星野リゾートの教科書

終日、溜まりに溜まった書類を片っ端から片付ける1日になりました。
付けている一方から、次々に増えていくタスク、段々「ゾーン」に入ってくる感覚を感じながら。

ゾーンに入るような仕事をした後は、気持ちが良いものです。

書類仕事なので手数が掛かるだけで、意思決定項目も少ないし、大して難しいモノでもありません。
難しいモノでないならば、いかに早く、かつ、量を処理できるかに頭を使います。

よって、面白いネタなんて何も無いので…。

書きためていた記事からお送りします。
少し前に読了した観光分野のみならず、人づくりの参考になる書籍を紹介します。

経済番組やビジネス書を賑わせ、リゾートブランドのみならず経営方針にまで脚光を浴びる星野リゾート。

いくつもの枯れかけたリゾート地やホテル、温泉などを生き返らせてきた経営手法とは一体どんなものか?社長のキャラクターも特徴的。

状況は違おうとも、観光地で売っていこうとする我々が学ぶべきエッセンスがそこにあるはず。

そんな中で手に取った1冊。

まず、星野リゾートを御存知無い方へ、星野リゾートとは…

起源は1914年、軽井沢の星野温泉旅館に遡ります。
4代目になり、1991年から星野リゾートの舵を切るのが星野佳路社長。
その経営哲学が刻み込まれているのが本書となります。

本書のタイトルの通り、星野社長が実践する手法は複数の「教科書」をベースに実行されています。
教科書と言っても、物理や数学というわけではなく、経営分野における良書として数ある書籍を差し、それらの多くは海外においてマーケティングやマネジメント分野で著名な書籍です。

教科書に書かれているエッセンスから、星野社長が実際に使ったストーリーを日経が2年間かけて取材した結果が事例ごとに、また事例と教科書が紐付けられて、まとめられています。

サービス業においてお客様目線、お客様のことを考えたサービスを提供するため、日々考えることは大切なことで、そのためにアンケートを取ったりマーケティングして数値化したりするわけですが、実はお客様のみならず、ライバルの動向を確認することも大切なこと。

ライバルの持つ環境に対して、自分の環境がどう位置しているのか。

「コストリーダーシップ」「差別化」「(資源の)集中」
いずれも、ライバルに対する自分の立ち位置を把握できていないとクリアできない課題。
これは、サービス業に限りませんね。

この理論が載っている教科書は、こちら。

星野リゾートの経営で特徴的と感じるのは、現場への判断や決定権の移譲と、役職による上下関係を議論に持ち込まないフラットさ。
私の職場でも、通ずるところはあります。
同業他社を見ていても、私の職場は特段、決定権が移譲されており、ある程度のフラットさを兼ね備えています。

星野社長は「現場のスタッフの判断の質こそが、会社全体に対するお客様の評価を決める。」とおっしゃっています。

現場スタッフが自ら考えて行動できるような環境を作ること、これこそマネジメントする側が一番大切にすることかな。
直接お客様と触れ合う現場スタッフが、お客様にとっては、その会社の全てになります。

教科書として参照されているのはこちら。

上記の本は大変興味深い。
読んでみたいと思っています。

続いて、世の中には「ブランド化」という言葉が溢れかえっており、例外なく我らが業界でも日々飛び交っている言葉です。言うは易く行うは難し。その代表格のような言葉。

ブランド化にも教科書的な論理があるのです。

ブランドの価値を決める要素として、

  • 認知=知られているかどうか
  • 知覚品質=お客様がどのように感じるか
  • 連想=ブランドについて思い浮かべること
  • ロイヤルティ=リピーターになってくれるかどうか
  • 他のブランド資産=トレードマークなど

という5つが挙げられるとされます。

代表格ともいえるメーカーが、コカコーラ。
コカコーラのマークを見るだけで、お客様がスカッとしたさわやかな気持ちになるというのはブランド力がいかに高いかを示しています。

教科書はこちら。

組織の価値を決めるのはやはり人。
そこで働く人の価値が上がれば、組織の価値も上がります。

そのため、星野リゾートでは採用活動にも多くの工夫をちりばめています。

中でも、採用段階から、組織の持つビジョンを説明していくというのは我々でも導入できるアイディア。
もちろん、短いフレーズで組織の目指すべき方向を示すビジョンを策定する作業というのは知識、労力、などなど多くの資源を必要としますが、あるべきモノ。

なかなか人が集まらない採用活動において、ビジョンを導入することで、企業のわかりやすさ、面白そうな会社だと思わせることに成功。

最後に、星野社長の祖父と懇意であったという内村鑑三氏が祖父へ送ったという「成功の秘訣」が掲載されており、この文章が本当に秀逸。

一.自己に頼るべし、他人に頼るべからず。
一.本を固とうすべし、然らば事業は自づから発展すべし。
一.急ぐべからず、自働車の如きも成るべく徐行すべし。
一.成功本位の米国主義に倣ふべからず。誠実本位の日本主義に則るべし。
一.濫費は罪悪なりと知るべし。
一.能く天の命に聴いて行ふべし。自から己が運命を作らんと欲すべからず。
一.雇人は兄弟と思ふべし。客人は家族として扱ふべし。
一.誠実に由りて得たる信用は最大の財産なりと知るべし。
一.人もし全世界を得るとも其霊魂を失はば何の益あらんや。
人生の目的は金銭を得るに非ず。品性を完成するにあり。

時代を経ても、大切なエッセンスというのは淘汰を経て残っていくものです。
遺伝子の進化の過程と同じように。

教科書通りにやるにしても、中途半端な拾い食いはダメ。
やるなら徹底的に、教科書通りに。

豊根村で本書をイメージしてみて、行かせる場所がたくさんあるように感じました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください