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祖父葬儀を執り行いました

祖父葬儀を執り行いました

今日は祖父にさようならを告げる日。

朝、8時半に出棺となります。
昨夜から父の兄弟夫婦やその子ども(従兄弟)たちと、
その子どもが大勢、我が家に所狭しと宿泊中。

もんのすごい、賑やかな朝を迎えております。

20~30人くらい泊まったのかな。

ちょっとした民宿みたい。

順番に朝ご飯を食べていき、洗面台も順番待ち。
昔の家ってのは、毎日かこんな雰囲気だったんだろうなぁ。

まさに、戦争!

7時半過ぎには和尚さんがいらっしゃり、
本日の流れを簡単に打ち合わせた後、
出棺のお経を上げて頂きました。

棺を力合わせて移動させ、自宅での最期のお別れとなります。
棺桶の中を、たくさんの花で彩り、最後に「血脈」と呼ばれる、
お釈迦様の弟子になったことを証明する札を私が納め、棺が閉じられました。

私は戒名が刻まれた位牌を持ち、見送りして下さっている組の皆様に御挨拶の後、
霊柩車の助手席に乗車して、母と伯母と共に津具の火葬場へ。

霊柩車を運転して下さっているのは、職場の先輩。

道中は、祖父の思い出話を存分に聞いて下さり、
本当に、心休まる先輩です。

参列者の皆様の火葬場までの道のりは、レストランみどりの御厚意で、
貸して下さったマイクロバスにて。

運転手は、組の方…近所のおじさまです。

豊根の人は、多くの男性が大型免許を当たり前のように持っています。

棺を降ろし、火葬台へ。

線香を手向け、最期のお別れの時が来ました。
棺の窓を閉じて、祖父の長女である伯母と共に、棺を炉内へ送り出します。

奥へ、カシャンと収まり、閉まる扉。

次の瞬間、息子が一言。

 

「じーじ、どこいった?入っちゃったよ?」

 

この言葉と、点火音を同時に聞き、
我慢してきた涙腺が、決壊してしまいました。

煙突から立ち上る煙を眺めて気持ちに整理をつけたら、
そこからはもう、明るくいきましょう!!!

88歳の大往生。
まさに理想的人生。

悲しいと言うよりも、長い人生にお疲れ様と告げるには、
残された我々が笑顔であることが一番!!

スイッチを切り替えて。

火葬が終わるまでの間、待合室やバスの中で
いろんな方と笑いながら、楽しい時間を過ごしました。

津具の親戚が持って来てくれた、津具のトマトが美味しかった。

予想時間よりも早く火葬が終わり、
火葬まで、せっかちな祖父だなぁ~と思いつつ、骨を骨壺に収めます。

ただでさえ暑い中、熱くなった火葬場内は灼熱です。
汗かきまくりで骨壺を持って皆さんから骨を受けました。

火葬担当の方がおっしゃるに、祖父の骨は相当丈夫だそうな。
これは、力仕事を長年行ってきた方だからこそとのこと。

担当の方は非常に丁寧な方で、
ひとつひとつ解説して教えて下さったり、
親族の心を非常に大切にして下さいました。

また、ここの炉は周囲と比べても大変素晴らしい場所であると熱弁をふるわれ、
都会ではボタンひとつの単純作業で火葬が行われてしまうけれど、
ここでは、ずーっと担当の方がつきっきりで火の加減を細かく調整されていました。

プロフェッショナルとは、このことを言うんだなあ。

帰り道は私もマイクロバスに乗車し、古戸経由で自宅へ向かいます。

本日の葬儀は、自宅にて行います。

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気持ちの良い青空の下。

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自宅をこよなく愛していた祖父。
今では、村の基幹集落センター(葬儀場)で葬儀を行うことが一般的である中、
祖父の遺志を尊重して自宅での葬儀となりました。

自宅での葬儀は、基幹集落センターで行うのと比べて、
ハッキリ言って、かなり大変。

誰が大変かって、組の皆様への負担が尋常では無い。
また、参列して下さる方に、どうしても長時間立っていて頂かなくてはならず、
ほとんどの方々への負担は増します。

けれど、組で最年長、長年がんばってきた祖父だからと、
組の皆様も、自宅葬儀に賛成、そして協力して下さいました。

受付場所になった車庫。

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組の皆様に、受付業務をお願いします。

 

午後3時から、葬儀が始まります。

葬儀開始の時間が近づくと、和尚さんが3名いらっしゃり、
その対応に追われつつ、参列者の皆様へ御挨拶まわり。

村長さん、副村長さん、副議長さん、区長さんを始め、数多くの村民の皆様。
職場からも課長や補佐、同僚が来てくれていました。

バタバタと家の中を走り回っていたわけですが、
私が喪主ということで、葬儀運営に関する質問を、親戚始め多くの方からされるんです。

年配の方から、この若輩者で経験値の浅い私に質問されても、
逆に私が質問で返しちゃうんですよね(汗

そこが、一番ストレスだったりします。

3時手前で、皆さん揃われたことから葬儀を始めさせて頂きました。
今回、通夜から葬儀まで、全て予定時刻前倒しで始まっています(汗

これがまた、祖父っぽくて(笑)

準備が整えば、予定時間繰り上げで何でも進めていたせっかちな祖父。

送り出される葬儀まで、せっかちになるとは。
いや、私がその遺伝子を継いでいるのでしょうか。

葬儀の開始は喪主と組長、親族代表の3人で参拝を行いますが、
今年度は私が組長のため、組関係の取り仕切りはや組長の役割は、
伍長さんにお願いしています。

我が家の宗派に限られた話かどうかわかりませんが、
葬儀の中で「鳴り物」が登場します。

ちん どん しゃーん

と、引磬、鈸、太鼓でリズムが刻まれます。

鈸(はつ)と呼ばれるシンバルのような鳴り物ですが、
息子が大興奮!!!

鈸を持つ和尚さんに向かって、息子が
はやく!はやく!と言わんばかりに隣に立って待機しております(笑)

和尚さんも、気になってしょうがない様子。

和尚さんが鳴らす音に合わせて、息子もマネをしているのです(笑)

ちょっと和やかムードが漂った後、生前祖父がお世話になった方から弔辞を頂きました。

私も、花祭りで大変お世話になっている方。
私の小学校時代には校長先生でした。

葬儀も一通り、滞りなく終わると、最後に私、喪主の挨拶です。

昨夜、通夜の後で文面を推敲していました。
祖父の経歴なども私が聞きかじった範囲で御紹介させて頂きました。

祖父も父も、若い頃は都会に出て製造業の技術者、
その後は豊根村にUターンして家を守っていました。

私も、まったく同じことしています(笑)

一番皆さんに伝えたかったのは、祖父がいつも口にしていた言葉。

「何かを買えば簡単に済ませられることはたくさんあるが、
自分でできるものまで買う必要は無い。工夫すれば何でもできる。」

です。

大変手先が器用で想像力も豊かであり、作業効率を上げるために
数多くの治具を独自開発していました。
豊かな想像力は農作業や林業、日常生活にも生かされ、
家の中にもたくさんの工夫がちりばめられています。

葬儀が終わってお帰りになる皆様へ御挨拶に周り、
次々に降ってくる段取りを振り分けつつ…

3日、7日の法要、組念仏を済ませると一段落。

今度は、葬儀の進行に多大なるご協力を頂いた組の皆様と
親戚が折り混ざっての夕食会です。

このときばかりは、広いと思っていた我が家もだいぶ狭く感じます。

DSC07213

一方で、息子たち曾孫世代は外に出て元気よく遊び回っています。

DSC07209

せっかく、たくさんの方が我が家に集まっていらっしゃるので、
今がちょうど良い時かな!と、

サウジアラビアのお土産、デーツ(なつめやし)をデザートで出させて頂きました。
デーツは超甘いので、酒飲みさんたちには合わなさそうですが(笑)

女性陣に大人気でした☆

組の皆様が解散され、親戚だけになったところで
親戚も徐々に帰り始めたので…頃合いを見計らって記念写真を撮影することに☆

祖父の前に子ども一同、甥っ子、孫一同、そして曾孫も揃って♪

結構な人数ですよ。

DSC07226a

祖父の子どもは四人。

これから先の時代、こんな大勢で写真が撮れることも少なくなるんでしょうね。

親戚の皆様も帰宅の準備が始まります。
豊橋、豊川、豊田など、遠方に住んでいる人ばかり。

村内に住む親戚は最後までいてくださいました。

皆さんの車の所まで見送りに出ておりましたが、
同じく見送りをしていた村在住の従兄弟が…

車道を横断しようとしたところで、
向こう側から自動車が!!!

危ないっ!!!

運転手さんが直ぐに気付いて減速して難を逃れたと思いきや、
窓が開いて…

「○○(従兄弟)!!ひくぞっ(笑)」

よく知る村民の方でした(笑)

従兄弟も、祖父が亡くなってからずっと付き添って下さっていて、
疲れがたまっていたのだと思います。

みんな帰って、嵐が過ぎ去ったような静かな家の中。

お隣さんがいらっしゃいましたが、独り暮らしですので、
我が家で一緒に晩ご飯を食べていってもらいました。

 

今回は、これまで喪主としてつとめた葬儀の中でも、
もっとも喪主らしく、葬儀を遂行できたと思いました。

すなわち、今までは頭の中で我が家の当主が祖父であるという
気持ちがありましたが、葬儀を通して世代が変わることを自分の中で認める。

そんな意味が「喪主」という立場にあることを初めて認識した日でした。

最後になりましたが、ご多忙のところ、参列下さった皆様、
本当に有り難う御座いました!!!!!!!!!!

Comments:2

ウェス@あいぽん 2012年8月 6日 14:17

こんにちは。
誠に、誠にお疲れ様でした。

最後には笑って送り出すケンタの想いは、きっとお爺様にも届いている事と僕は思います!

今回の事で、また一段と成長出来たかと思います。

今後の皆さんへのDEDICATIONを見せる事が、お爺様への何よりの供養になるかと思ってます。

ほんに強いね。
ケンタは。


と、珍しくライトサイドなウェスでした。
m(_ _)m


頂いた広報は展開済です!
⇒反響は、また逐次報告しますね★


けんた 2012年8月 7日 23:43

>ウェスさま
まあ、ホントに、試練をたくさん用意してくれて…(汗
そんな気分もありつつ、無事に(たぶん、無事だとは思いますが。)終わってホッとしつつ…
また始まる慌ただしい日々にちょっとドキドキしております。

だから…そんなに強くないですよ~~(笑)

あ、ライトサイドなウェスさんだから褒めちぎりなんですねww

広報の件、有り難う御座います!!
是非また、反響をお知らせ下さい☆

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