上黒川花祭り2017の後半

1月3日~4日夜通しの上黒川花祭り。
日付が変わって4日、後半戦を書き進めます。

舞庭では1人舞の「いちの舞」が繰り広げられ、
激しくテンポの速い太鼓の音とともに、
喜びの極限を示すような悲鳴が響き渡る。

その「音」を楽しみながら、もともと無い余裕がさらになくなってくる。
おいらは支度部屋で椅子に座り、先輩方に鬼の衣装を着付けして頂いています。

歴年の榊鬼、山見鬼を舞ってこられた先輩方。
支度しながら先輩に質問して、舞の流れを最終確認。
聞けば聞くほど緊張してくるでいかんわ。

先輩方、優しいので、おいらをリラックスさせようと、
あの手この手で励ましてくださいます。

緊張が、一番の敵。

手に持つマサカリが滑り落ちないように、両手に清酒を振りかけて湿らせる。
激しい動きによって衣装がずれないように、見えない場所をクリップ止め。

積年の経験により、着付けの随所に細やかな工夫が投入されます。

いちの舞、3人目の舞手が舞庭を盛り上げ、支度部屋に戻り、
舞を終えた3人が子鬼たちを連れて再び舞庭へ。

太鼓の拍子が、鬼の舞の拍子へ。

おいらも面をつけ、マサカリを手に持ち、出陣を待つ!

合図が出て、さあ、行くか。
階段を下る前に、ひとにらみ。

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「最初から、あんまり飛ばすなよ!」

と、言われつつも、
会場にたくさんの観客がいて、みんな囃してくれていたら、
本能的に張り切っちゃうというもの。

葛藤しつつ、最後までスタミナを保たせるよう、考えつつ。

しかし、1回ミスをすると、連鎖反応という恐ろしい罠が!!
頭の中が真っ白になって、次の動きが空白に。

そして緊張。

おいらは中の人だから、写真を撮っていないだろう…と、
心優しい友人たちが写真を送ってくれました!!

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なんと嬉しいこと。

一方で、このとき、鬼の登場を待ちわびていた息子さんは、
コタツの部屋で撃沈。

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明日…というか、本日6時間後には仕事始めになる職場の後輩も、
消防訓練服のまま、声援を送ってくれ。

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「にらみ」を終えて、「腰舞い」へ。

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「けんたろ!休むか?一回、下がるぞ!」

ん!
もうひとつ、座敷を移して舞える気がする!
そのまま、続行。

座敷を一つ、「腰舞い」したところで、
「次どうだ?休むか??」

コクっとうなずく。
自分では思いっきり動いているつもりでも、
この時点で、動きにくたばりが見えていたようです。

椅子に座らせてもらい、扇であおいでもらいながら、
新鮮な空気を面の中へ取り入れる。
空気がおいしい。

休みすぎると、かえって疲れる。
立ち上がって、引き続き腰舞い。
本座まで舞い、「中」の位置で舞う。

さあ。

あと一周を残すのみ!

もう一回、休憩を経て、本座で最後まで舞い切る。

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終わった!
支度部屋に戻り、そのまま畳の上にダイブ。
呼吸を整えている間、面から衣装から、わらじから。
支度部屋にいる人たちが寄ってたかって外してくださいます。

ご講評をいただきながら、来年への布石に。

まだまだ、身体で覚えて舞えておらず、
頭で考えて舞ってしまっているため、緊張して頭の中が真っ白になると、
動きが止まって、リズムから外れて、狂ってしまう。

特に、舞が切り替わる場面。
すっげぇ、怪しい動きしていました(汗

まだまだ、修業が必要です。

毎年、レベルアップさせるぞ!
鬼の舞に、完成はありません。

役鬼が出ると、その名前を関したお神酒が一升出されます。
山見鬼の酒として、手渡され。
湯のみと一升瓶を持ってめぐります。

まずは支度部屋の皆様に注いで回り、舞庭の関係者、
そして観客の皆様へも振る舞い酒。
一升瓶を持って、お話ししながら、うろちょろうろちょろ。

気づいたら、満タンだった一升瓶が空っぽに!!

みなさん、飲んでくださりありがとうございます。
気づいたら、舞の次第は進んで三つ舞のやち。

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三つ舞のやちまで続けられる子供は、
統計的に見ても、これからの花祭りを受け継いでいく確率が高い。
写真の笑顔が、それを物語っています。

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願わくば、村に住んで携わってくれることを。
子供たちによる舞の中で、最も運動量が大きな舞です。

三つ舞の剣が始まり、支度部屋もあわただしく。

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続く、榊鬼様の支度が始まります。
榊鬼様は、最もハイレベルな鬼の舞。
榊鬼を舞うのは、熟練の先輩。

舞庭では、子鬼たちをスカウト。
スカウトということはすなわち…みな、ぶっつけ本番!
手を挙げてくれた面々の中には、地域おこし協力隊さんの姿も。

支度部屋で子鬼たちの着付けをしていると…

「I have a マサカリ~~♪」

ん!?
最近よく聞くフレーズが聞こえて来た。

昨年流行った「PPAP」だーーと、声の主の姿は…。

着付け中の榊鬼様(笑)

マサカリを手に持って、PPAP。

余裕であります。

何とマサカリを「ん~~っ!!」ってするんでしょうかww

着付けを終えた子鬼たちを、舞い終えたばかりの三つ舞の剣3人に託して。
榊鬼様、出陣!

舞に見入って、シャッター切るのをすっかり忘れ。
子鬼たちの写真が全く無い。申し訳ない。

榊鬼にはあって、山見鬼には無い所作が、問答、へんべい、釜割り、たい割り。

まず、問答。

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へんべいを踏み。

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釜割り。

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カメラを握る手に、最も力が入るのが、この釜割り。
カッコイイ。

いつか、おいらも!!!

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たい割りまで見ること叶わず、次の支度へ。
衣装を身に着けます。

その間、榊鬼様が舞を終えて支度部屋へカムバック!
そのまま畳の上に倒れこみ、みんなで寄ってたかって衣装を脱がせる!
大変、お疲れ様でした!!

子鬼たちが戻ってくるまでに面をつけちゃわないと。
おいらは、ちょっとひょうきんな表情のお面をつけ。

手には味噌たっぷりのすりこぎを持ち。

準備万端。

子鬼たちと入れ替わりで、レッツゴー!!

カメラマンには惜しげもなくカメラ目線(?)を。
シャッター切ったところを確認して、ベトーッと味噌を。
顔に塗りたくる。

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知らぬ間に、背後に鬼の師匠が写ってた(笑)

今年もまた、嬉々として味噌を待ち構えてくれる若者がたくさんいて、
味噌の塗り甲斐がある!

ありがたや、ありがたや…それでは、遠慮なく。

「おい!あそこ!後ろから行ってこいやっ!」

おいらの背中の方から囁く声が。
へい!仰せの通りにっ!!ww

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顔の表面から肌色の部分がほとんど消えてしまうほど、
味噌だらけになった女性陣もいらっしゃいますが、写真がありませんので…
それはまた、いずれ!

毎年恒例、すりこぎ杓子の攻撃から「巫女」さまを守る
ボディーガード「ばばあ」とのせめぎあいで場が盛り上がりつつ。

ばばあさんも、ちょっと年を取ったのか?動きが鈍いので攻撃し放題。

鉄壁の防御に、ほころびが見え始めました。

が!
なりふりかまっていられないばばあさん、
今だかつてない防御…いや、攻撃を繰り出し!おののく、すりこぎ。
ばばあさんが凶暴化。

こわい、こわい。

すりこぎ杓子も、退散。

続いて、火の禰宜、翁が登場し、

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夜明けの四つ舞へ。

四つ舞の扇。
突如1名、体調不良が生じたため、
やち・剣を舞う予定だった人を急きょ登板させることにしました。
さあ、どうしよう。

次の舞、ひとり足りん。

1名欠けるだけで大騒ぎになってしまうほど、
青年の舞はギリギリの人数で運営中。

おいらか?おいらの出番なのか!?

すると、助っ人登場!!
腰痛のため今年は舞を遠慮していた先輩が、覚悟を決めて、やち・剣に登板決定!!

安心して朝食へ。

イレーネさん、kawagさんと一緒に食卓を囲み。
ご飯とみそ汁に漬物というシンプルながらも最も贅沢な味わい。
四つ舞扇も、終盤に差し掛かる。

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すりこぎ・杓子から、太鼓のたたき手は変わらず、ぶっ通し!

眠気も最高潮。

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ってか!!!
榊鬼様の体力すげぇーーーっす!!

四つ舞(やち・剣)は、榊鬼様が太鼓を担当。

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四つ舞(やち・剣)が無事、始まり。
この時間帯で、これだけ体力が残っているのか!と。
久しぶりに鬼以外の舞を見る先輩の動きを注視します。

いかんせん、長時間にわたる舞となるため、
舞の途中で時折、給水。

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榊鬼様、そのまま湯囃子の太鼓に突入。
2時間以上、太鼓を叩きっぱなしになるわけで…。

その集中力たるや、凄っ!

湯囃子の若者たちも、上黒川地域を支える大切な存在。
しずめさまを舞い、消防団夜警を共に過ごし、一睡もせず。

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他の舞では面を付けているので分かりませんが、
彼らも、いくつもの舞に携わっています。

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時計の針は、午前9時!

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朝日を浴びて、眩しい。

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ここにきて、おいらもひとつ、役が増えました。
獅子舞の後ろ足がおらんっ!

というわけで、下半身だけ衣装替え。

湯囃子に参加できず歯がゆい思いをしつつも、しれっとカメラを携えて…

湯囃子の様子を!

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そこに、歩みを進めた女性の姿。

舞手の皆さん、ターゲットロックオン!!

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舞いを指揮する1番手以外、全員の視線が女性の元へ!(笑)

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お湯のおかわり含めて、4回!

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舞庭の中は、びったびた。

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一方、支度部屋では、続く朝鬼の準備。

子鬼を舞ってくれる申し出があったので、子鬼さんを着付けします。
申し出たのは…

職場の後輩!

即席で、太鼓のリズムの乗り方と、舞い方を指導。
あとはもう、元気よくやってくれッ!!

舞庭に大鋸屑が敷き詰められて、次第は朝鬼へ。
まずは、子鬼さんを舞庭に投入!

そして…朝鬼様は…すりこぎ・杓子から四つ舞にかけて、
こちらも明け方2時間以上太鼓を叩き続けていた先輩!!

他に舞える人が見つからず、急遽決まりました。

急遽決まっても、スラッと舞えちゃうからスゴイ。

覚悟を決めた朝鬼様、ユンケルの高いヤツを一気に飲み干します。
なんと…

よん…4本目!?

花祭りに命かけています。
おいらも、栄養ドリンク2本目投入。

朝鬼様、舞庭へ。

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疲労困憊の表情を全く感じさせない、キレのある舞。

しっかり舞い通し、入れ替わりで…
おいらも出陣!

獅子頭を担うKUNIHEYさんの腰を必死につかみ、頭を低く抑えて獅子の後ろ足。

実に、20年ぶりに入った獅子の中。

こ れ は …。

腰への負担がすっげ。

獅子頭に引き離されないよう、必死に獅子頭さんの腰をつかみます。

必死になっていたら、しらみふくいでも、ついて行っちゃいまして。
獅子頭がお尻をカイカイしようとすると、
お尻が逃げるという珍妙な光景が!(笑)

あ!

途中で気付いて、カイカイされるのを待つ(笑)

獅子舞を最後に、午前10時半頃。
上黒川花祭り2017は終了です。
昨日の朝からずーっと、大変お疲れ様でした!!

さあ!
片付けの時間だ。

花祭りが終わった安堵感を味わいながら、一息つく暇もありませんが、
舞庭の中、道具や衣装を片付け、装飾を剥がし、畳を上げて掃除をし。

そちらが終わると、今度は消防団夜警のお片付け。

消防詰所へ残余品や備品を運搬し、これにて本当に終了です。

年々、片付けに携わる若者が増えています。
結果、午後1時には片付けを終了して帰宅。

氏子総代の先輩方は、まだまだお仕事が続きます。

例年、同じプロセスだとしても、祭りを開催するってのは、花祭りに限らず大変なこと。
人口が減っていく中、いつまで続けられるのか。

続けられる形を探ることも、常に考えなきゃ。

帰宅し、昼ご飯食べて風呂入って布団へ。
30時間ぶりの睡眠だぁーー!

夜、ブログを書き始めるも、つらくて途中断念(汗
友人たちが山見鬼の写真を送ってくれ、癒やされます☆

明日から仕事が始まります、頭を切り換えて!!

「上黒川花祭り2017の後半」への6件のフィードバック

  1.  お疲れ様でした。そして、貴地区には大変お世話になりました。最後に入った温泉で挨拶してくださる地区の方がいて、恐縮でした。人との繋がりのありがたさを再認識した花祭りでした。
     今年は「ぶく」にあたる人が多いと聞きました。つい最近でもありましたね。息子さんも2舞担っていましたが、視線がしっかりした舞に感心しました。今年もこの後家族でスキーとかのレジャーですか?

    1. スーさま
      いつも、みかんをご持参、御来訪ありがとうございます。
      舞庭にみかんがあふれかえり、花祭りらしさを一層感じました!
      様々な方にお会い出来るのも、花祭りの魅力の一つですね~~

      今年は…と、言っておられず、もうあって当然のようなつもりで、
      続けていかなきゃならんもんだなぁ~と感じている次第です。

      子どもは2回舞うことで上手になりました。
      前向きに考えて!

      花祭りが終わって、早速サウジ交流スキーが始まり、なかなか息つく暇がありません(汗
      今年も何度か、スキーに連れて行ってやりたいです。

  2. 本当にお疲れ様でした。
    Blogを読みながら、現地に居るかのように感じられる臨場感でした!

    津具の花祭りでも話題に出てましたが、
    続けて行く等大変さ、有りますよね。

    続けて行って欲しい、と安易に願うのは簡単だけど
    実際続けて行く人達を我々外の人間達がどの様に接すれば
    よい方向に向かう事が出来るか。
    そんな事も考えつつ、拝読しておりました。

    本当に、お疲れ様です。
    花祭りにかけるパワーをヒシヒシと感じました。

    最近は、そんな風に何かにエネルギーを注ぎ込んでない感じが自分にはしますー。
    いや、家族に注ぎ込んでる、かな(笑)

    1. ウェスさま
      臨場感を感じていただけ、幸いです!
      やはり、終わったらすぐに書く!のが一番ですねぇ~

      ウェスさんも、津具花祭り御訪問&ご家族孝行、お疲れさまでした。
      花祭りを観にいらっしゃる方々の中には、片付けまで手伝って下さる方もいらっしゃって、
      とーっても、助かっていますよ☆

      本能的にパワーをかけずにはいられない祭があるというのは、
      くたばりますが、幸せなことだと思いながらやっております。

      ウェスさんは、家族への情熱がハンパないじゃないですか!

      あ、仕事だって…!
      後輩思いの…(笑)
      クリティカルな助言をしてやってください!!

  3. 花祭りお疲れ様でした!

    今年は高校に入って運動を全くしてなかったこともあり体力の衰えをすごく感じました汗
    もう四つ舞終わった時にはフラフラでした(´×ω×`)

    三の剣→四つ扇はかなり大変だと分かりました汗
    しかし、楽しく舞わせていただいたことにやはり!感謝感謝です!

    来年も宜しくお願いします!!

    1. 舞習いから、花祭り本番まで、お疲れ様でした☆

      高校生が一番、動ける時期だで!
      体力をしっかり付けて、来年の花祭りも四つ舞、頼むよー!
      いつか、兄弟3人+1で四つ舞やったら面白いねぇ。
      期待しています。

      あ、余裕があったら、鬼の舞もそろそろ始めてみましょうっ♪
      来年も宜しくね。

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