宇宙への新たな手段が一歩前に踏み出しました。
宇宙へ人を運ぶ新しい機体が、実際に人を乗せた試験に!
ロケットも鉄道や航空機のような輸送手段の一つですが、行き先が宇宙というのが特殊な環境です。
よって、そこに載せる荷物によって「認証」といわれる技術的な審査が必要に。
今回は、人を乗せるために必要な「認証」を得るため、様々なチェックが行われますが、
実際に人が乗ることにより最終チェックが行われることになります。
アメリカで、人を乗せるための認証が最後に行われたのは1981年。
私が生まれた年ですね。
40年近く前に行われた有人ミッションのための認証。
言い換えれば、40年ぶりに行われる有人ミッションのための認証です。
1981年に行われたのは、スペースシャトルに人が乗るための認証で、
そのスペースシャトルも2011年に退役。
よってこれまでの10年間はロシアのソユーズが人員輸送を担っていました。
ソユーズは本当に歴史あるロケットで、全く新しい刷新ではなく、
少しずつ改良されることにより、信頼性が担保されてきました。
本日打ち上げられたスペースXのロケットは全く新しい刷新です。
この認証試験に合格すると、晴れてNASAの宇宙飛行士や民間人宇宙旅行者をのせて商用運行できるようになります。
機体の名称は「クルー・ドラゴン」。
日本時間5月31日(日)4時22分。
速度を上げながら、どんどん真っ青な空に向かって吸い込まれていく機体。
このロケットの何がすごいって、第1段ロケットが指定された位置に帰ってくるんです。
■ファイル:CRS-8 first stage landing (25788014884).jpg – Wikipedia
これ、打ち上げシーンじゃないですよ。
第1段ロケットが戻ってきているシーンの写真です。
円筒状のものが…いったい、どうやって…。
動画を見ると、もう、感激しちゃいます。
決して、逆再生している動画じゃありませんよ。
ちなみに、洋上に浮かぶ、戻ってくる基地がこちら。
今回も、無事に洋上の船の上に戻ってきました。
こうして機体を再利用することで、打ち上げコストを低減させるのです。
宇宙への距離を近くするために、1回あたりの打ち上げコストを低減することが大切。
さあ、お時間ある方は、ぜひyoutubeで臨場感を味わってみてください!
機械的でゴツゴツして、配線が視界に飛び込んでくるような、これまでの宇宙船に比べると近代的で未来を感じさせるようなデザイン。
機体の状況確認や操作はタッチパネル。
時代の最先端だから…当たり前かと思われるかもしれませんが、
宇宙開発は信頼性との戦い。
技術的に確実な方法が優先して採用されます。
飛行中に、フリーズしたり、強制終了されたら、大事件です。
また、物理的なスイッチには、スイッチの位置や感触、大きさなどによって操作ミスを防ぐという利点があります。
そのような中でも、タッチパネルを使用したインターフェイスが使用されるというのはすごい。
タッチパネルにはタッチパネルの利点があって、インターフェイスの更新がソフトウェア的に可能です。
物理スイッチだと、更新するたびに配線を変えたりスイッチを付け替えたりする必要があります。
参考に、スペースシャトルのコックピットはこんな感じ。
押し間違えちゃいそうなくらい、大量のスイッチ類に囲まれています。
■スペースシャトルは開発されてから25年以上経ちますが、老朽化の心配はないのでしょうか :よくある質問 – 宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター – JAXA
一方、こちらはロシアの現役ロケット「ソユーズ」のコックピット。
宇宙飛行士が手に持った「棒」を使って、棒の先端でスイッチを押しているのが面白い。
キッチンタイマーみたいなものもあります。
クルー・ドラゴンの打ち上げ基地は、そのデザインまでもがスタイリッシュ。
さらにいえば、管制室も、めっちゃスタイリッシュ。
「書類」というものが、全く見当たりません。
1人当たり3台以上並ぶディスプレイ環境。
やはり、仕事効率化のためには、マルチディスプレイですな。
試験の全容は記事を参照ください。
■民間初の有人宇宙船打ち上げ 米国土から9年ぶり―トランプ氏「新時代開幕」宣言:時事ドットコム
ロケットの打ち上げというのはすでに珍しい時代を終えてしまい、
すべてピックアップされて報道されることはありませんが、
年間、かなりの数の打ち上げが行われており、日本のJAXAに関連するだけでもいくつかあります。
■ISS関連フライトの全履歴:国際宇宙ステーション(ISS) – 宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター – JAXA
そして!
なんと。
今回の試験で認証されれば、8月には日本人宇宙飛行士の野口さんが運用開始後第1号機に登場される予定!!
■野口さん、「クルードラゴン」運用初号機への搭乗が決定 – アストロアーツ
これは、必ず、ニュースになりますな。
楽しみです。