国家予算の分類を海外の国々と比較してみる

地方分権、道州制などなど、最近手に取る本が、地域性を踏まえた地方の自主性とはなんぞや?というものが多い中で、教育について国ごとの考え方の違いが国家予算に現れるという表現を発見し、これは!一度調べてみたいと思い立ってデータを探した結果。

ありました。
他国のリサーチは欠かせない、財務省のウェブサイトです。

■海外調査報告書(平成26年7月) : 財務省

5年前の情報にはなりますが、ありました。

年度が揃った資料ならよかったかもしれませんが、国家予算の大枠の割合が知りたいだけなので、多少年度のばらつきがあっても問題なしと考えてみていきます。

また、医療や保健、社会保障については定義がまちまちのため、今回は割愛。

他国に比べて国防費の比率が高くて、16.2%を占める。

イギリスが5.2%、ドイツが10.6%、フランスが12.7%、イタリアが3.7%、スウェーデンが6%。
ちなみに、日本は5.3%です。

歳入をみると、アメリカには付加価値税、すなわち消費税はありません。
続くカナダも同じですが、個人所得税による歳入が大きな割合を占めています。

続いて、カナダ。

カナダの特色は、個人所得税。
税収の半数を占めます。

歳出には大きな割合で「直接プログラム」という項目があり。
これはなんぞや?

解説文によると、一般行政経費や国防、公営企業等に係る経費などの裁量的経費の抑制を目的とした取り組みのことだそうです。ゼロベースで予算を見直すということでしょうか。国が!!!

つづいて、英国。

社会保障費の割合が5割を超えています。

続いてドイツ。

ドイツの項目を見ていて、「戦後処理及び賠償」という項目が気になります。
敗戦国としての運命。
世代が変わろうとも、敗戦という影は金銭面においても常につきまといます。

イタリア。

イタリアで目立つのは、国防比率の低さ。
同じく敗戦国としての定めでしょうか。

敗戦国において、国防費に多くの予算を割くことは世論もあって大変難しいということか。
国防費が低くても、戦争が起きなければ、言うこと無しです。

それには、隣国とのコミュニケーション。
隣国とのコミュニケーションが成り立てば…ですが。

続いて、フランス。
フランスは消費税の比率の高さが際立っています。

税収の約半分を占めるのが消費税です。

歳出で飛び抜けているのが、「教育費」!!
割合ですが、日本の4倍!!
教育に対する考え方の違いか。

まさに、この教育という項目が、各国でどれくらいの比率なのか、知りたかった。

フランスで21.3%を筆頭に、英国で13.4%、イタリアで7.4%、スウェーデンで7.0%、ドイツで6.1%、米国は低くて3%。そして我が国は5.5%。

欧州勢の比率の高さが目立ちます。

ちなみに、GDPで比較したサイトもあり、

■公的教育費の対GDP比率 国際比較 – Global Note

GDP比率で日本は115位。
低いですね…。
一方で、米国のGDP比率では60位です。
フランスは38位。

そして、北欧のスウェーデン。

ここも消費税の割合が高い。

最後に、我が国。日本国。

 

 

http://www.zaisei.mof.go.jp/pdf/02-k01.pdf

国債費や公債金も含めての割合になります。

これまで出てきた項目のうち、各国の私レベルで判別できる項目を抜粋して表にしました。

国名 年度 歳入 歳出
個人所得税 法人税 消費税 国防 教育・科学
米国 2015 46 13.5 0 16.2 3
カナダ 2016 50 13 11
英国 2014 25.8 6.3 17.1 5.2 13.4
ドイツ 2013 27.4 32.6 10.6 6.1
イタリア 2014 35.7 10.3 26.9 3.7 7.4
フランス 2014 20.1 16 47.9 12.7 21.3
スウェーデン 2014 10 37 6 7
日本 2018 19.5 12.5 18 5.3 5.5

ただし、以上のデータについて、振り返ってみると…空欄については、私の分析が足りず、内訳から紐解く作業をサボりました。

連邦制であったりして地方が財源を持って独自裁量で運営している国も多々あるので、日本のように国が地方のお金の多くを吸い上げて再配分している姿とはまた異なって比較対象にならないかもしれないことを申し添えておきます(汗
国債費も、割合に入っているところと入っていないところがありますし。

あくまで、国に入ってくるお金が、どのように配分されているのかという指標で見て頂ければ幸いです。

 

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