ひなまつり…でしたね。

毎週火曜日恒例の、とみやま診療です。

霧石峠を越えて、佐久間湖畔に差し掛かると…

車内もざわざわと。

これまでの冬の景色から一変した佐久間湖!!
しっかりと水を貯えつつ、みどり湖の水の影響か…??

緑色の水面を呈しています。

そして、昼ご飯を食べていたらメッセージが来ました。
地元選出衆議院議員であり、大学の後輩である彼から。

新型コロナウイルス感染症対策に関する情報提供。

SNSで正確な情報、噂、間違った情報が飛び交っているからこそ、一次情報に触れることが大切です。

彼が、しっかり整理されたテキストをFacebookにアップロード。
今現在、自分自身が医療に携わっているからこそ、情報の正しさに対する感度が高まっています。

引用します。長文ですが、是非ご覧下さい。

【①危機管理体制】
●まずは、全体の危機管理体制についてですが、現在、政府は全員が、毎日、夜を徹して、凄まじい忙しさで、全力で対応してくれています。医療現場の皆様も同様です。心から感謝します。

●しかし、日本には、残念ながらアメリカのような感染症対策の司令塔となるCDC(疾病予防管理センター)がありません。

※日本では、公衆衛生が非常に良くなった(例えば、飲食店に加えて、美容院や理髪店、旅館ホテルなども衛生を最重視して、かなり以前から非常に高いレベルを維持している)ので、感染症よりも、がんや生活習慣病に、主流が何十年も前に変わっていたと思います。
学生時代も、感染症も勿論、勉強しましたが、感染症を専門にしていこうと集中して勉強する学生は、国際機関や途上国支援を将来やりたい医学生が多かったように感じます。

●CDCが無いので、我々、医師の国会議員が、感染症の専門家や現場の方とコミュニケーションをしっかりとって政府を支援するアドバイザリーボードのようなものを作って支援したいと思います。筆頭に、我らが兄貴分である富岡勉先生(元長崎大学医学部教授、長崎大学は熱帯研究所という感染症の専門研究所があり、日本の感染症対策でもトップレベル)がリーダーとなって進みます。

●ここまで時間がかかってしまったことは率直にお詫びします。調整が大変でした。

●政府には、一議員として、提言と支援することしか出来ませんが、そのパワーを少しでも上げて、国民の皆様を守れるようにする為、全力を尽くします。

●先ほども書きましたが、その為には、大規模な補正予算の検討で、財政的な心配なく、対応できるのだと示すことが重要です。

●例えば、学校休校で、多くの方に、ご迷惑がかかるでしょうから、休業補償を最大に拡大して、支援できるように、既に検討を始めさせておりますが、この部分だけでも、大規模な補正予算の検討で、皆さんに安心してもらえると思います。

【②学校休校】
●学校が休校となれば、本当に大きな影響が出ます。子育て世代の仲間たちと話していても、特に小学校低学年の家庭は、働くことも難しくなります。

●仕事を休む方がでれば、ご本人の給料の心配がまず強くあるのと同時に、医師、看護師、介護士等の医療関係者の方が働けなくなれば医療介護福祉施設が動けなくなり、小売り関係の方(パートも多い)が働けなくなれば、スーパーやドラッグストア、コンビニなどがストップします。

●学校給食が急遽中止すれば、関係者には大きな経済的損失が出ます。地産地消でやっているところは、農林水産業従事者の方々にも影響は出ます。(給食といえば牛乳ですが、酪農家も大変です)

●この週末も多くのイベント中止で、個人事業主やアルバイトや派遣の方々、就職氷河期世代の人たちは特にその影響も強いですが、収入減に対して、所得保障なども必要不可欠と思います。

●しかし、初めて発表した2/27もあくまで、休校は、あくまで要請なので、学校は地域ごとの判断になります。

●感染も地域差があるので、当然、地域ごとの判断となります。

●2/28も同じ内容なのです。

●その後に、「卒業式や入試も対策を行って実施してください」と言ってますし、「こうした措置で生じる様々な課題には政府として責任を持つ」と言っているので、休業補償や支援も当然に行うのです。実際に、実現する前提で具体的な制度設計を既に始めさせてます。

●今から振り返ってみれば、「要請だから、地域ごとに判断してほしい」と一言付け加えておけばと思えますが、自分なら、その時、そう付け加えることができたか、分かりません。

●保育所は通常通りの運営です。学童保育、放課後デイサービスは長期休みの時と同じような運営を要請しています。

●実際には、学童保育も放課後デイサービスも定員や人員確保が必要なため、それぞれで対応できるタイミングが変わると思います。

●しかし、学童保育では、先生たちが頑張って、春休みと同様に空ける!と言ってくださってるところもあります。本当にありがたいです。

●また、学校の先生が学童保育に入ってもらうことも可能にしました。

●人材支援や財政支援を必ずやらねばならぬと思っていますし、こういう話も含めての2/27の「責任を持つ」発言です。
各地域ごとに学校等を通じて情報が共有されると思いますので、そちらをお待ちください。

●また、本当は、これを機に、学校と一人ひとりを結ぶ遠隔教育を進めるべきだと思います。子どもが、家で勉強するのはなく、うろうろするリスクは絶対にありますから、遠隔教育で勉強してもらいます。

●ちょうど大容量のGIGAネットワーク(今の学校は通信容量が少なく、遅くて、良く止まる状態なので、大容量にする為のネットワーク)と、タブレットを3学年分用意する予算が先日成立した補正予算と新年度予算であるので、それを大至急導入すべく動きます。

●スポーツジム業界も名指しされたことで、大きな動揺が広がり、一昨日付で、経産省から2-3週間の休校要請もありましたから、真水の支援が必要であり、週明けには、スポーツジムの現場の方々に来て頂いて、私は党本部の商工中小企業関係委員長ですから、現場の現状を聞かせて頂く予定で、一気に進めるように頑張ります。勿論、他の団体(商工会議所や商工会、観光協会、働く仲間の方々などなど)からも、どんどん現場の実態をお聞きし、対策を打つべく動いています。

●経済支援は、後でまとめて書きますが、2月前半に打ち出した緊急対策第1弾で、既に旅館業飲食業やその他影響を受けた、特に中小企業への融資5000億円枠用意していますが、働く一人ひとりへも企業へも休業補償の真水の予算が絶対に必要です。金融円滑化法の復活も提案しています。

【③病気の危険性】 2020年2月末現在の情報です。
●毎日、新型コロナウイルスを診療している大曲先生(国立国際感染症医療センター長。僕が医師時代に感染症を学ぶために、講演会を企画してお呼びして、めちゃめちゃ勉強になった先生)のお言葉が下記です。

「我々が持っている新型肺炎の印象は、中国で報道されているようなおどろおどろしいイメージとは大きく乖離している。軽い感冒(つまり、風邪)から少し重いインフルエンザまでというくらいで、どんどん人が亡くなるという印象は持っていない。」

●実際WHOもかなり早い段階から、8割が軽症と発表しています。

●まず、このイメージが伝わらない。。。治った人の話も政府から発表していますが、どうしても伝わらないのが、ジレンマなんです。広報が足らないのだと思いますが、それよりSNSなどの不安情報の方が圧倒的に拡散しやすいのです。

●僕ら政治家を信用できないという気持ちはあると思いますが、どうか、医療関係者や感染症対策を現場で行っている方々、行政の言葉には耳を傾けて頂ければと思います。

●26-7度のお茶を飲むと治るという話が拡散したのも、驚愕でした。

●一般論として、ウイルスが気温上昇で動きが悪くなるというところから出た噂とは思いますが、体温約36度の人が、26-7度のお茶を飲むと熱さでウイルスが死ぬというのは、いくら混乱していても、どんな人でもオカシイと気付くと思うのですが、それよりも混乱しているということなのだと思うのですが、情報社会となって不安の連鎖が凄まじく、どのようなコミュニケーションを取ったら、良いか、本当に悩んでいます。

●話を戻しますが、全数調査をしたある数千人の母集団(統計的に意味はあると思います)で、「検査陽性の方のうち約半数が軽症にすらならない」というデータが出ました。

●重要なのは、重症化しやすいのは、基礎疾患を持つご高齢の方という認識です。実は、中国は二千名もの方が亡くなっていますが、そのほとんどは基礎疾患を持つご高齢の方や元々病弱な方です。

●インフルエンザですが、実は2018年の日本人の死亡者は3000人以上です。でも皆さんの中でインフルエンザは死と言うイメージはないと思います。インフルエンザの死亡例もやはり高齢者や病弱な人が中心で、病院や施設で生活している方が多いからなのです。

●「普通に元気な人なら免疫力で対処できて症状すら出ない人も多い、症状が出ても、風邪か少し重いインフルエンザ程度の症状で治まる病気」ということです。

●ここが最も重要なポイントです。
一般の方の意識とは違うと思いますが、実は、ウイルスはそこら中に居るのです。普通のイメージだと、「インフルエンザもノロウイルスも、罹ってる人にはウイルスが居るけど、それ以外のところは居ない」イメージかもしれませんが、それは違います。

●ある研究では、「健康な人」の便を調べたら12%の割合でノロウイルスが検出されました。これはインフルエンザでも同じです。元気な無症状の人にもウイルスが居るのです。

●結局のところ、症状が出るでない、軽症で済むか、重症に至るかは、自分の免疫力とウイルスの感染性とのせめぎ合いで決まるのです。

●自分の免疫力を落とさない事がいかに大事なことか、よくわかります。
・夜更かし
・暴飲暴食
・ストレス

規則正しい睡眠・食生活など、普通のことを心がけて頂ければと思います。(僕も仕事による夜更かし以外は、なんとか避けたいと思っています。)

●多くの人が軽症とはいえ一部の人は重症になりえます。また、ご高齢の方やすでに病気を持たれている方は重症になりやすいので、その場合は早く病院に行ってしっかり治療せねばなりません。

●その時、皆さんも疑問に思うのは、重症と軽症は、医者でもない自分には見分けがつかない、とか、基礎疾患のある高齢者はいっぱいいる、どうしろというのかと思われると思います。

●一般的に受診の目安は、37.5度以上の発熱が4日以上や、息苦しさやだるさと言われています。詳しくは下記です。

新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安についてhttps://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000597108.pdf

●しかし、それだけじゃ重症か分からないと思いますので、重症肺炎について私達医師が考えていることをお伝えします。

●実は、皆さんが思っているよりも単純です。

私のような在宅医療をやる総合的な内科医は、A-DROPという診断基準(昔の資料をひっぱりだしてきて、これ良いのか?と思ったら2017年の日本呼吸器学会のガイドラインにもありました。新型肺炎ではないと思われるかもしれませんが、肺炎の目安にはなります。)があります。

A男性なら70歳以上? 女性なら75歳以上?(年齢)

B舌が乾燥してる、又は手の甲の皮膚をつまんでも2秒以上戻らない(脱水)

C酸素飽和度が90%以下(息苦しさ)

D意識が朦朧としている?(意識)

E血圧の上の数字が90以下

A~Eで「YES」が、3個あったら重症の可能性が高い。1〜2個なら微妙。0個なら軽症の可能性が高いでしょう。

酸素飽和度は自宅では測れないでしょうから、息苦しさは参考として、それ以外の4つで1~2個当てはまれば、重症の可能性が高いということですし、そういう話をすれば、医療機関は患者さんが多ければ多いほど、重症度で患者さんの先に診るかどうかを判断しますので、重症度が比較的適切に考えられます。

(あくまで目安ですから、絶対視はしないでください。)

【④検査について】
●それともう一つ、検査について、どうしてもお伝えしなければなりません。

「なんで日本は検査をもっとしないんだ」とか、「感染件数を減らしたいための検査控えでは?」とか、「利権がらみで民間に検査させないのでは?」という悲痛な声がツイッターなどSNSで飛びかっています。

●これについてはどう考えればいいのでしょうか。

コロナウイルスの検査はPCR検査という、細胞の中の遺伝子を見つけ出す検査です。

インフルエンザのように病院で検査したら10分で結果が出るというものではなく、検体を専門の検査機関に送ったうえで遺伝子を見つけ出す作業に入るため、結果が出るまで数日かかるのが通常です。

実はこのPCR検査、「特異度は高いのですが、感度は高くないのです。」

分かりにくいと思いますので、簡単に言うと、
「陽性」という結果は信頼性が高いが、「陰性」という結果は信頼性が低い。

ということです。

クルーズ船の乗員・乗客の中で検査陰性の結果が出たのに、その後陽性になった人が何人もおられましたが(感染初期では検査陽性にならない)、これも「陰性」という結果の信頼性が低いことを示しています。

『検査結果は「陰性」でしたが、でもまだ陽性の可能性があります』

というのが本当の説明で、ということは陰性でも結局、発熱やら咳などの症状がある人は全員、自宅安静、出勤停止が妥当な判断ということになるわけですね。

「結果が同じなら検査する意味あるのかな?」というところはしっかり考えるべき課題です。

●大多数の軽症患者さんに対しては解熱剤や咳止めなどでの対症療法。

●少数の中等症〜重症以上の方は人工呼吸での呼吸管理や点滴などでの水分・栄養管理などの集中治療と、この人たちにPCRを検査をして、要請であれば、重症で命の危険がある場合は検査のうえで、副作用を度外視してでもエイズウイルスの薬なども使用されることもあるでしょう。

※ちなみに、新型肺炎であるか、他のウイルス肺炎か、長期間に渡って全国にたくさんの患者さんがいるが、ご高齢の方にとっては非常に怖い細菌性肺炎かに関わらず、重症肺炎は、集中した治療するのです。

●一方、検査をすることでのデメリットもあります。

●検査を増やせば増やすほど「偽陰性」として漏れてしまう例も増える

●検査を希望する患者さんが病院に殺到する(マグネット効果)ことで、病院自体がウイルスの増殖・拡散基地になりかねない。

●重症患者の救命という、より優先度の高いミッションにも増して、一日数万件という膨大な検査の方に医療従事者の労働力が偏ってしまいかねない。
現段階(2020年3月2日)の我々の行うべきことは「コロナウイルスによる健康被害(特に後遺症を残すような重症化や死亡例)を極力減らし、この危機を乗り切ること」です。

●その為に、入院用ベッドを先月の第一弾緊急対策で2000ベッド確保した(実は、今枝も入院ベッドを探して、多くの先輩や仲間にお願いしていました。)のに、加えて、2/29の記者会見では、5000ベッドに増やすことも表明しました。

必要な措置です。医療機関への徹底した人員、財政支援も必要不可欠です。

●そして、検査については、韓国のように「一日何万件でも検査をして徹底的に患者を洗い出す」と言う方法もあれば、

●「そもそも検査は信頼性が高くないので全員を検査対象にはせず対象を限定し、その代わり重症症例への対応を万全にする」と言う方法もあります。

●現在、日本は、重症者には積極的に検査をするようにしています。

●韓国と日本、どちらが正解か、それはその国の医療事情にもよるでしょうし、一概には言えません。

●しかし、「検査を増やせばすべてがうまくいくという単純なものではない」ということは申し上げておきたいですし、後に、しっかりと検証しなくてはなりません。

●勿論、検査体制の拡充については、今後も徹底的にやります。

●2/29の記者会見でも、話されたことは、2月前半の第1弾の緊急対策で、それまでの何倍にも検査体制を拡充して、1日4000件体制になりましたが、今回の緊急対策第2弾で、民間の力も活用して、更に大幅に増やします。

リスクがありながらも受け入れて頂いた民間検査会社の皆様には、心から感謝します。

●更に、私が先日の国会質問でしたように開発を進めている簡易検査機器の前倒し実現も動き出しました。

●緊急対策第2弾では、2、3時間を要しているウイルスを検出するための作業を15分程度に短縮できる新しい簡易検査機器の開発を進めています。この1カ月間、試薬の開発、精度向上などに取り組んできたところであり、3月中の利用開始を目指す。とのことです。

●当然ですが、PCR検査が保険適用に加えて、自己負担も政府の予算でやる、これは今の事態から見て当たり前だと思っており、実現に全力を尽くしたいと思います。

●新型のウイルスということで、皆さんにご不安が強いと思います。政府も対応できる人員も非常に限られる中で、必死にやっているのは事実です。

●これまでの関係者皆さんの努力で分かってきたこともあります。正しい情報を身につけて頂ければと思います。

※この文章作成には、多く皆様に協力頂いています。森田先生をはじめ皆さまありがとうございます。

未知の対象に対して、どれだけセンシティヴになるべきか。
個人個人の判断に任された難しい対象ではあります。

だからこそ、テレビの情報を鵜呑みにするのではなく、それも一つの情報と考えて、それとは全く違う情報に触れあい、どれが論理的に正しいのか、自分なりに分析してみることも大切だと思います。

とみやま診療を往復する車内でも、コロナウイルス感染症対策に対する医師の見解、しっかり伺いました。やはり、医師の先生方も、触れている情報の主たるものはマスコミからもたらされる情報ですが、そこに独自の分析を交えておられます。

帰りの車内で、

「さかもとさんところは、今夜ひなまつりやるんですかー?」

看護師さんに言われて、

ハッ!と気づきました。
そうだ!今日は3月3日か!!!

今日は定時で帰宅して、ひなまつりだな!

そんな空想をしながら医療機関&保健機関に帰着したわけですが、

結局、とみやま診療に出かけるときはきれいさっぱりにしておいたメールや決裁書類たちですが、戻ってきたこの夕方には再び山盛りに復活しまして。

もちろん、コロナウイルス関連も…。

帰れませんでした。

ごめんね。娘さん。

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