午前中は勤務先3機関でめいっぱい仕事を片付けてから…。
たまには違う空気を吸ってみるのもいいもんだ。
と。
午後休暇を取得。
講演会を拝聴しに新城市まで出かけました。
プレゼンターの方は、こちら。
2016年(平成28年)、地域おこしのトップランナーとしてNHKプロフェッショナル仕事の流儀に取り上げられる。2018年(平成30年)11月、まちづくりの経緯を自身の著書『ビレッジプライド 「0円起業」の町をつくった公務員の物語』に綴り、ブックマン社より出版。尾崎行雄記念財団(東京都)「咢堂(がくどう)ブックオブザイヤー2018」において地方部門大賞を受賞した[2]。また、食生活ジャーナリストの会が開催する第3回「食生活ジャーナリスト大賞」(2018年度)「食文化」部門において大賞を受賞[3]した。2019年5月より「にっぽんA級(永久)グルメ連合アドバイザー」に就任。
■寺本英仁 – Wikipedia
ウィキペディアにも掲載されているくらい、有名な地方公務員。
NHKのプロフェッショナル仕事の流儀で放映されたとき、この目で見ていて地方公務員がどこまでやれるのか、そこまでやれるのか!いや、やっちゃっていいのか!?と驚いた記憶があります。
■寺本英仁 島根・邑南町役場職員:あの人に迫る:中日新聞(CHUNICHI Web)
愛知県職員の仲良しさんからお誘いをいただき、寺本さんという方をこの目で見て見たい。
そんな思いから、出かけました。
■2019年度 第5回 奥三河観光まちづくり塾の参加者を募集します – 愛知県
会場は新城文化会館。
会場には、奥三河で観光に携わる方々、各市町村の観光担当者さんたち、知人友人の顔もそこらかしこにありました。星空カメラマン仲間の関谷醸造社長さんの姿も!
タイトルは
「ビレッジプライド 地域食材をA級グルメに」
主催者の愛知県から
安易で即戦力的な形で地域おこし協力隊を使うことは間違っていると感じる。
地域おこし協力隊の育成方法を大いに学んでいただきたい。
開会のご挨拶に続き、プレゼンターの寺本さんからご講演スタート。
テレビ局など、マスコミの方々も取材にみえておりましたので、この講演会は公開されたものと考えて…せっかくの貴重な情報、是非皆さんにも知っていただきたい。
そんな思いから、私の議事録公開します。
過疎発祥の地は島根県。
過疎という言葉は50年前に島根県で生まれた。
人口は減っているけれど、人口構成がどの様に変化しているかが重要。
人口1万人のまち、邑南町では75歳以上人口は減少しているが、若年層人口は増えている。
高齢化率43パーセント。
合計特殊出生率2.46。
若者にはIターン者よりUターン者が多く、3年連続社会増。
3年で24軒の店舗が新規開店。
移住者を呼んで観光客を呼ぶ…では、うまくいかない。
高齢化率が高いところで…特にうまくいかない。
なぜならば、そこに住んでいる高齢者には全く関係無いこと。
それどころか、困ったことになる。
空き家はたくさんあるけれど、移住者=都市部の若者=怖い人たちに住んでもらったら困る。
観光客がたくさん来るとうるさくなって困る。
住民からしたら関係の無いこと。
地元にはそんな思いがある。
ただし、5年後、10年後を見据えると、若い人に来てもらわないと困る。
どうしたら、地元の人たちが受け入れてくれるのか。
地方創生の計画、補助金は東京のコンサルタントを儲けさせるために実施されたようなモノ。
地方創生をしないといけない。
そこで何もすることを思いつかなければ…ターゲットは「食」と「農」。
地域でやっているそれらの事業は、
東京へのキックバック事業=中央省庁から田舎に下りてきたお金を東京に戻す事業
になっていないか?良いものは皆、東京、都会に出している。
田舎の人の認識 → なにもない=良いものは何も無い
どこでも作っているブルーベリージャムを題材にお話しをされましたが、東京を市場だと考えて多額の費用をかけたマーケティング、その際、東京の事業者を使ったマーケティングや広告宣伝をして、得られる結果は儲けたというよりもやった感しか残らないということ。
A級グルメには一流シェフの存在が不可欠と考えた。
東京のシェフに、何度も断られながら次々に声をかけた。
2011年に最初の店舗が邑南町にオープンした。
シェフを呼び寄せるのに限界があるので、全国から希望者を募って町を挙げて3年間無料で調理を学べる学校、月に17万円支給される制度を作った。
この制度には地域おこし協力隊の制度を使っている。
町に一つだけトップレストランがデキルだけではダメ。
町にいくつもA級のレストランが点在することが大切。
海外の三つ星レストランは、みんな田舎にある。
そこに一流のシェフがいるから、みんな田舎に行く。
日本は、一流のシェフが東京に集まる。
むしろ、田舎から東京の一流レストランへ、一流食材を流出させてしまっている状況。
ミシュランガイドに載るお店は東京などの大都市ばかり。
東京から外国の田舎へ美味しい料理をを求めて旅行するような形になっている。
日本の田舎に、それがあれば、近い方へ行くだろう。
邑南町は、介護費用負担は全国で3番目に低い。
年を重ねて元気なお年寄りが多い。
行政に頼らないスタンス。
年寄りが民間資金として若い人たちに「出資」している。
移住者を受け入れるための会社を立ち上げた。
資金不足、人手不足を解消するために。
法人になれば、信用力が高まり、これまでボランティアでやっていたような空き家活用や耕作放棄地対策、その補助金申請もやりやすくなる。
案外、田舎のお年寄りたちは資産を持っている。
お年寄りたちが地域で興した会社に出資している。
地元の住民が本当に欲しい会社…ニーズに即したガソリンスタンドとか、そういった会社を立ち上げている。時給500円レベルであるが、雇用される高齢者も元気になる。=介護予防。
そこに役場は関わっていない。
邑南町がメディアで取り上げられた番組の一部がスクリーンに流れ、「邑南町、めっちゃ盛り上がっているんじゃねっ!?」そんな雰囲気がUターンの促進になっているというUターンした若者からのコメントもありました。
続いて、質疑応答。
IターンよりもUターンが大事というのは?
→持論だが、人は生まれたところが基準。その基準を用いて他の地域を見るから、生まれたところに住むことが幸せだと思っている。
まちの中に対する周知よりも先にメディアへ発信すると、まちの中がザワザワする。
ザワザワすると関心が出てくるので、そこからしっかり住民周知をしていった。
そのとき、成功事例を作ることが大切。
小さい成功を作っていく。
その後、奥三河観光協議会のまゆげさんが誘ってくれ、寺本さんに直接ご挨拶する機会を得ることができました。実は、心の中に引っかかる質問がありました。
全員の前で質問タイムで聞くには憚られるような質問。
気分を害されたらどうしようかな…と思いながらも、思い切って聞いちゃいました。
回答を聞き、やはりか…。
いやしかし、その様な環境にもかかわらず何故実行できているのか。
一瞬、曇った顔をされたかと思いましたが、すぐに笑顔で答えて下さいました。
最終的にはハートに強さと熱意。
そして、応援してくれる味方がたくさんいること…かな。
私には私のやり方があります。
地域づくりのやり方は、ひとそれぞれ。
そのやり方を進めるための実例吸収として、とても良い時間を過ごしました。
誘ってくれた愛知県の若手職員さん、有り難う!