名古屋大学で教鞭を執る後輩君から、情報があって。
いやはや、お互いに専門外ではあるのですが、驚きました。
結核を予防するためのワクチンであるBCG。
皆さんも御存知、「はんこ注射」です。
欧米と比べて新型コロナウイルスの罹患者が日本で少ないのは…。
もしかしたら、はんこ注射と関係があるかも知れないというテキストが。
■9本針のはんこ注射が新型コロナに効く?BCGのオフターゲット効果とは 医師や看護師を守る秘密兵器に(木村正人) – 個人 – Yahoo!ニュース
ご覧の通り、ソースの見出しはまだ疑問符が付いています。
それでも、すがりたい情報。
調べていたら、とても分かりやすく、
新型コロナウイルスとBCGについて分析されている方がおられました。
■【さらに追記しました】新型コロナウイルスとBCG : 大隅典子の仙台通信
因果関係はわかりませんが、相関関係は少なくともありそうだという分析です。
引用された論文に掲載された、この世界地図。
■The BCG World Atlas: A Database of Global BCG Vaccination Policies and Practices
A、B、Cとありますが、その判例が示すのは…コロナウイルスの流行地域ではありません。
A(黄色): 現在、BCGの予防接種プログラムが実施されている国B(紫): 以前は誰にでもBCG予防接種を推奨していたが、現在は推奨されていない国中止した年は、スペイン1981年、ドイツ1998年、イギリス、フランス2005年~2007年など。C(オレンジ):BCGワクチンの普遍的な接種プログラムが無い国
BCGの接種地域と新型コロナウイルスの流行地域。
この国々を見ていて気づくことは………ざっくり結論を言うと、BCGの接種が行われている国では、COVID-19の広がり方が遅いという「相関性」があることについての指摘である(注:「相関関係」があるからといって「因果関係」があるかどうかはわからない)。
このコメントは目を引きます。非常に。
日本の感染者1,349人のうち、日本人は934名で、外国人が415名となっていることは、人口構成を鑑みて同じ日本国内でも外国人の方が感染しやすいことを示している。あるいは、日本でのCOVID-19により死亡した高齢者45人のうち44人は、1951年に開始されたBCGワクチン接種よりも前の世代(70歳以上)という事実もある。
日本でBCGワクチン接種が開始されたのは1951年で、それよりも前の世代は接種していない。
前の世代というのは70歳以上。
う~~~ん。
因果関係があるように見えて仕方がない。
文中にもあるように「抗体価(身体の中にどれだけ抗体(ウイルスと戦えるヤツら)が残っているか)」に起因するものではなさそうということ。
戦えるヤツらの数ではなく、そのヤツらを指令する司令塔(総称:サイトカイン)が予防接種という戦場をくぐり抜ける中で訓練されて、たくさん指示が出せる司令塔に育つということ。
司令塔(サイトカイン)の一種として、
「インターフェロン」という言葉は職場でもメジャーです。
職場で飛び交っている単語でしたが、ようやく意味が分かりました。
優秀な司令官が育てば、全体として最適な攻撃をウイルスに対して実施できる。
なるほどなぁ。
既に、オーストラリアなどで新型コロナウイルス感染症対策としてBCGワクチン接種による治験が始められたとのこと。
■豪 BCGワクチン 新型コロナウイルスに有効か臨床試験へ | NHKニュース
■BCGワクチン、豪州で治験-新型コロナへの有効性を検証 – Bloomberg
新型コロナウイルスに打ち克つため、世界中の知恵が集まっています。
人類、一丸となった戦いに。
実は、私の腕にははんこ注射の跡が残っておらず…。
ちょっと不安になって、自らの母子手帳を引っ張り出してきました。
2回、接種済みでした。
はんこ注射の跡が残っていないのは謎ですが…。